2012年04月03日

小林ゆうこさんと野津唯市画集で意見交換

小林ゆうこさんと野津唯市画集で意見交換

東京から取材のため小林ゆうこさんが来沖され、球陽出版で発行した野津唯市画集について、色々と意見交換した。小林さんは大の沖縄ファンで、沖縄には何度も足を運んでおられる。特に沖縄のルーツに関心が高く、天孫子王朝のルーツと日本の神話との繋がりを積極的に取材しておられる。私とは「おきなわルーツ紀行」を2年前に発行してからのお付き合いである。

ゆうこさんには今回、野津唯市さんの画集を発行するにあたって、取材の合間を計らって、編集も手伝ってもらった。

画集の出版計画は2年ほど前からあり、山辺の茶屋店主・稲福米子が野津唯市さんに働きかけをしていた。しかし、なかなか話が進まない。そこで1年ほど前に、球陽出版に画集を出したいとの相談があった。山辺の茶屋では、野津さんの常設ギャラリーが約40点の絵が展示されている。県内だけでなく、県外、国外からも多くのお客が訪れる。

野津さんの作品を見た人は大きな衝撃を受けるようだ。中には鳥肌が立つほど感動したと感想を残される方もいることを聞き、この作品のどこにそのような力があるのか、その魅力を知るために、画集の出版を手伝おうと決意した。関わるうちに、野津さんの作品の持つ魅力がどこにあるか、少しづつ見えてきた。

野津さんが言う「単なる画集を出したいのではない」という意味が分かってきたような気がする。

そう!単なる画集ではない。

作品のひとつひとつを良く良く見ると、単なる風景画ではない、単なる人物画でもない、そこに生きている命が描かれている。されは単なる命ではなく、輝ける命である。自然が、そこに暮らす一人一人が生き生きしている。その躍動感が見る人を熱くし、そこに希望と夢があることを知る。

そうか、命は単独では輝くことなく、他との関わりの中で初めて喜びと希望に抱き、生き生きとする。

昔流行った「愛染かつら」の2番目の歌詞に、「かわいい子どもは、女の命」というのがあった。

私は当時小学生だったので、ストーリーの内容はよく分からなかったが
たしか医師と看護婦の純愛物語ではなかったと思う。母親はいつも、食い入るようにテレビに釘付けになって見ていた。

今、野津唯市さんの画集を発行して「かわいい子どもは、女の命」の言わんとする意味が分かったような気がする。

母子家庭で小さなこどもを抱えて、この子のために自分の持てる全て使って
この子が安心して暮らせるように、自分のすべて捧げたい、
という事ではないかと思う。

輝ける命とは、まさに生き生きとした命、
この子のためにこういうことをしよう
こういうこともして、喜ぶ姿を見たいという生き方が
その人を輝かせるものだと思う。

そういう人は、側から見ていて生き生きとしている。

自分が必要とされているから
その必要に積極的に満たしたいという思いが
その人を生き生きとさせるのでは、
ないだろうかと思う。

現代人が抱える閉塞感は
自分はこの世から必要とされてないとする疎外感
どこに自分を必要としている所があるのか
それを探し出す事ができず
苦悶している姿ではないだろうか。

しかし、野津さんの描き出す命は、一人一人がいきいきとしている。

私にも微かに面影があるが、
地域にもひとりひとりに存在感があった。

この人は、こういう性格の人だが、こういう良い所を持っている。
と頭の善し悪し、金のあるないに関わらず
お互いがひとつに解け合っていた。

それは懐かしい昔の面影だが、
しかし本来の人間のあるべき姿ではなかろうか。

だから、今回の画集のタイトルも「懐かしい未来 沖縄」にしている。
これは米子さんがつけたタイトルだが、私も非常に気に入っている。

我々が目指すべき未来は、私達の心の奥底に眠っている。
素晴らしい未来が待っているのでなく、
我々の心の奥底に既にそれがあり
生き生きとした未来は既に持っていることに気づくだけである。.

この作品を今の時期に発行できたことは
私にとって、この上ない光栄である。

私自身、この作品を世に流通させることにより
少しでも命の輝きを感じてもらえる手助けができた
と、心が踊るような気持ちである。

野津さん、米子さん、編集を手伝ってくれた小林ゆうこさん、
輝ける命を有り難う。

感謝です。

私は幸せものです。

このような素晴らしい仕事にかかわることが出来て。


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Posted by 呉屋弘光 at 18:05│Comments(0)野津唯市の画集
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