2012年05月17日

てぃーだブログで野津唯市さんの特集が始まりました

てぃーだブログで野津唯市さんの特集が始まりました

今日から野津唯市さん画集の特集が組まれております。野津さんは知る人ぞ知る沖縄の画家では最も著名な方です。野津さんが出展している展示会では、多くの人集りができることでも知られています。それも年輩の方だけではなく、若い人の行列もできます。

人はこの作品のどこに惹き付けられるのでしょう。

野津さんの常設ギャラリーのオーナである稲福米子さんから、次のような話しを伺いました。イギリスに留学している若い女性が一時沖縄に里帰りで、ギャラリーを訪れ、野津さんの作品を見て「鳥肌が立つほど感激した」との話されたとの事。私はこの話しを聞き、何が人にこれほどの感動を与えるのか真剣に考えてみました。

沖縄をいったん出て、又沖縄に帰ってきたから、外から沖縄を見つめると感動するのかと単純に考えておりました。しかし、それだけでは説明がつきません。確かに二科展をはじめとする多くの会場では、年齢に関係なく、色々と作品について説明を求められるようです。

私も本を発行してみて、ようやく作品のもつ魅力が分かってきました。

描かれているのは戦前の与那原を中心とした庶民の生活ですが、単なる風景画ではありません。描かれている自然、人、牛、馬がすべて生き生きとしています。私は野津さんの作品を通して「命」には輝いている命とそうでない「命」があることを知らされました。

そして「命」を輝かせているのは「絆」であることも知りました。人は「絆」が強ければ強いほど「命」は輝きます。弱ければ光を放つを止めます。「絆」はお互いがお互いを必要としていることをハッキリと自覚し、互いがひとつになっている状態だと思います。

私は戦後生まれですが、しかし記憶の奥底に、皆が心はひとつで繋がっていたような思い出があります。貧富の区別なく、年齢に関係なくお互いの存在を認め合っていたからこそ、「命」が輝き、誰もが生きているという実感を持っていたのではないでしょうか。

それは物が豊かだったか貧しかったには関係ないように思います。物が貧しかろうが豊であろうが、「絆」が強く結ばれておれば、「命」は輝きます。自分は生きているという実感が湧くのではないでしょうか。

野津さんの作品は、「絆」「和合」の大切さを描かれた一人一人の表情から教えられる画風になっています。

是非、野津さんのインタビューをお聞き下さい。


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Posted by 呉屋弘光 at 20:37│Comments(0)野津唯市の画集
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